Amazonギフト券が余ったことから買ってみた歴史家、山本博文さんの本がヒットでした。
山本博文さんの本を読んだ!
Amazonのギフト券にポイントを登録し本を買っていたところ、少しあまりが出ました。
まあ、次の時の買い物に使ってもいいんですが、せっかくだから通勤の時に読めるKindle本を探してみました。
歴史関係の本をザーッとブラウジングしていたところある著者の作品が目に入りました。
それが山本博文さん。
東京大学史料編纂所 | Historiographical Institute The University of Tokyo
東大史料編纂所の所属(兼任)でなんと岡山県出身。
以前『お殿様たちの出世―江戸幕府老中への道』を面白く読んだので目についたのがいい機会と2冊本を購入して見ました。
『これが本当の「忠臣蔵」』で本当の赤穂事件の全貌を知る
それがこちら。
まずは『これが本当の「忠臣蔵」』
歴史的には「赤穂事件」、一般的には「忠臣蔵」として知られる刃傷事件から討ち入りまでの経緯を豊富な史料で書いた本。
日本人なら誰もが知っている忠臣蔵。もちろん、私も知っていますが、どこまでが後世に付け加えられたもので、どこが本当の歴史なのかよくわからなくなっていました。
しかし、この本を読むことで歴史的事件としての「赤穂事件」の全容がようやくわかった気がします。
赤穂浪士が行なったことは現代の感覚からいったらなかなか認められないこと。
しかし、彼らが生きていた時代はまだ戦国の遺風が残っていて、武士の「一分」が何よりも大事だった時代。
そういう観点から見るとこの一連の事件の見方が変わってきます。
『大江戸御家相続』で江戸時代の「家」についてわかる
もう一冊は『大江戸御家相続 家を続けることはなぜ難しいか』という本。
実はこの本新書で読んでいたものでした。その時はあまり理解できず面白さも感じられませんでした。
しかし、今回読んでみると面白いこと!
最近江戸時代に関する興味が増して関連する本を乱読していることもあるのでしょう。
ある種独特の「家」の論理について関心が深まったからこそ、今になって楽しめたのかもしれません。
この本のメインは徳川家。
初代将軍家康、2代秀忠、3代家光と徳川宗家によって将軍位が継承されてきた原則が4代家継に子がなく弟の綱吉が将軍を継いだことで微妙な変化が起きます。
この当時将軍など地位のある武士は臣下に自分の名前の一部を褒美として与えるという習慣がありました。
その数は膨大ですが、綱吉→吉宗などが顕著です。
徳川将軍の諱は「家」の字が入っているというイメージがありますが、養子に入るともともとは将軍の家臣だったので名前にその字が入っているんですね。
こういうところからも家の継承が大変だったということがわかります。
幕末の将軍世子をめぐる一橋派と南紀派の争いはある意味で幕府瓦解の遠因になります。
そういう感じで当時の大名たちがいかに苦労して「家」を伝えていくことに腐心していたかがわかるのです。
まとめ
山本さんの学術論文を読んだわけではないですが、特に新書のものなど一般向けに書かれていて理解しやすいのでおすすめです。
それでいて歴史のちょっとマニアックというか裏側がうかがい知れるテーマを取り上げているので他の本を読む時の助けになるというポイントも。
山本さんは新書でもたくさん本を出していますので、気になったテーマがあったらぜひ読んでみてください。