ザ・バンドの良さがわかってきた
ザ・バンドの「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」といえば、彼らのデビュー作にしてロックを代表する名盤中の名盤。

なのですが、ずっとその良さが理解できていなかったんですよね。
エリック・クラプトンは「人生を変えたアルバム」といい、ジョージ・ハリスンはアメリカを訪れた際このアルバムを買いまくり、帰国してから「傑作だから聴くように」といいながら配って回ったとか。
実際に聴いてみるとレイドバックしたサウンドで、1968年ではなく1958年にリリースされたかのような印象を受けます。
これのどこがすごいだろうと。
しかし、流れを見返してみると華やかできらびやかなサウンドや、サイケデリックなサウンドが脚光を浴びている時代にこういう作風のアルバムを出すこと自体がすごいことです。

ビートルズが「サージェント・ペパーズ」をリリースしたのが前年の1967年。
翌年(1968年)に本作「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」が登場したわけです。
本作がリリースされ、ミュージシャンたちが衝撃を受けこの流れに追従したため、このアルバムの立ち位置が現代のリスナーにはわかりにくくなっているのかもしれません。
ぼくはこのアルバムをなんとなく70年代のアルバムかと思っていたんですが、先ほども書いたようにリリースは1968年。
でもサウンドは70年代なんですよね。
それはこのアルバムがある意味で70年代の基本になっていたからではないかと思います。
もちろん、アプローチだけではなく曲自体のクオリティもものすごく高いです。
ザ・バンドはディランのバックバンドをつとめて鍛えられているし、「ベースメントテープ」のセッションにも参加しています。
新しいロック界の方向性を決定づけ、曲のクオリティも高い。
なるほど、こういうことかとようやく良さがわかってきた感じです。
ザ・バンドのデビューアルバム『Music From Big Pink』は、聴くほどに味わい深い名盤! | OKMusic
まとめ
ちなみにこのアルバムはリリース50周年記念に際してボブ・クリアマウンテンによるリミックスが行われ、マスタリングはあの名匠ボブ・ラドウィックが担当しています。
この50周年記念盤すごく音がいいですね。
まさに「スルメ盤」といえるアルバム。また愛聴盤が増えて嬉しいです。