野球ファンの間で話題になっている変化球、「スラッター」。
スライダーとカットボールのハイブリッドともいえる球が野球界を変えるかもしれません。
現代の魔球「スラッター」とは
いま野球ファンの間で静かに話題を呼んでいる変化球があります。(新聞にも取り上げられたので、静かではないかも…)
それがスラッターです。
プロ野球選手にもアドバイスする、Twitter野球クラスタの代表格、お股ニキさんの著書で『セイバーメトリクスの落とし穴』では次のようにスラッターを定義しています。
私がスラッタ ーと感じているボ ールを物理的に表現すれば 、概ね 8 0マイル台後半のスピ ードで P I T C H f / xだと左に 0 ~ 5インチ 、重力での落下と比べて 0 ~ 5インチ上の変化量で 、二次元の回転角度は 1 3 5度前後のボ ールである 。『セイバーメトリクスの落とし穴』
難しいようですが、スライダーように曲がり、カットボール(カッター)のように球速の速いボールということだと考えています。
具体的にはこの動画を見てもらうとわかりやすいと思います。
スライダーほど遅くなく、途中まではほぼストレートと同じ軌道で振り出したら、球速に曲がり落ちるのですから打者としては対策は難しいです。
第1戦の大瀬良、神スラッター連発
— rani (@n_cing10) November 2, 2018
打者の始動ギリギリまでストレートに見え、振り始めてから消えるように落ちる軌道
そしてその軌道を何度も狙って出す圧倒的再現性
左右問わず、決め球カウント球問わず使える最高の武器 pic.twitter.com/Vp75epvFfr
投手のトレンド
ただ「スラッター」という球種があるわけではなく、MLBで流行し日本でも取り入れられつつある変化球としての「概念」であるとののと。
高速スライダ ーは 「フワッ 」としたやや丸みを帯びた軌道に近く 、スラッタ ーは 「カクッ 」と鋭角気味に落ちるイメ ージだ 。
スラッターが流行るのは大きい変化球だと見切られるるし、フライボールレボリューションの影響でフライを打ち上げるトレンドになったこともあると思います。
速球の軌道からカクっと曲がることによって空振りも取れるし、詰まればゴロにもなる。
すごく効率のいい変化といえるでしょうか。
打者と投手の駆け引きは日々進化しているので、見る側も考え方、見方をアップデートしていきたいです。
スラッターが日本でも普通に投げられるようになってくると、打者側もまた新しい対策を生み出すかもしれません。
そうやって野球の世界が進化していくのを見るのはファンの楽しみの一つです。
まとめ
サッカーの戦術もそうですが、世界のトップレベルでは効果的な方法を突き詰めて考え、結果的に同じ方法論に行き着くことがあります。
「動く」ボールに打者がある程度対応が出来ると、また新しい対策が生まれる。
観戦する立場のファンも考え方をブラッシュアップしていく楽しみがあります。