【白峰旬】史料を基にした新しい関ヶ原!『新視点関ヶ原合戦』

書評

白峰旬さんの『新視点関ヶ原合戦』を読みました。

関ヶ原合戦の新説を押さえることができます。

一次史料に基づく新しい関ヶ原合戦

最近徳川家康が天下を取るきっかけになった関ヶ原合戦について通説の見直しが進んでいます。

一次史料を基にその流れの中心にいるのが本書の著者である白峰旬さんです。

豊臣秀吉死後から上杉征伐、毛利・石田連合の挙兵、関ヶ原合戦までの流れはドラマや小説でよく知られています。

ただ、我々がよく知る関ヶ原合戦は

フィクションとしての関ヶ原合戦の歴史像 (虚像 )が 、江戸時代に作り上げられた

とのこと。

現代に生きる我々は 、江戸時代の軍記物が作った関ヶ原合戦のイメ ージ (いわば 、都市伝説としての関ヶ原合戦像 )にあまりにも引きずられており 、いったんゼロベ ースで考え直すということが 、喫緊の課題となっているのである 。

この本『新視点関ヶ原合戦』は白峰旬さんが最近発表した関ヶ原に関する論考をまとめたものです。

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本書の構成

本書は当事者である武将の書状、イエズス会の報告書にくわしい検討を加えながら事実を復元する、という構成になっています。

たとえばよく知られている豊臣七将襲撃事件について当時伏見にいた鍋島勝茂の書状から推論を組み立てていきます。

国許へ上方の政治状況を知らせているので当時のリアルな状況を知ることができるのです。

ただ当時の書状として「知っていて当たり前」のことはあえて書いていないし、現代のように詳細にではなくごく簡潔な書き方をしているので注意する必要があります。

イエズス会の報告書にしても武将の書状よりはわかりやすい書き方ですが、キリスト教関係者の認識は当時の日本人と同じではありません。

当時はわかっていたことも、合戦後に徳川家の天下になったことでだんだんと書かれなくなったり、わからなくなっていったんでしょう。

▲なお、本戦の経過などについては白峰さんのこの本も面白いです。

補足

なお、著者がこれまでに発表した関ヶ原に関する論考は所属する別府大学機関リポジトリでインタ ーネットで閲覧することができます。

CiNiiでの白峰旬氏のリンク

この本はiPhone XSのKindleアプリで読みましたが、史料を元に該当箇所に検討を加えるという構成上、頻繁に元の史料を参照できる紙の本の方が読みやすいな、と感じました。

でも読めないことはないです。

まとめ

本書では限られた史料から事実を復元していく、推測していく知的興奮を味わうことができます。

ぜひ自分の意見を持ちながら読んでみてください。

関ヶ原についての認識が新たになること間違いなしです。

今回紹介した本

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