日本史研究の「リアル」を学ぶことができる『新説の日本史』

新説の日本史 書評

古代から近現代まで、最新の研究成果をまとめた『新説の日本史』を紹介します。

最新の研究成果がまとまっている

今回紹介するのは、SB新書の『新説の日本史』です。

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この本は古代から現代までの最新の研究成果を気鋭の研究者が解説しています。

新書でこういうキーワードが入っている本だと、新説とはいいながらただ新しいだけの自説を説明しているものも多いです。

この本はそんなことはありません。

それぞれの時代で紹介される新説は各時代を担当した研究者の自説の場合もあれば、注目されている説ではあるものの自身はその説に否定的なものまであります。

歴史で新説というと、とかく教科書の内容が変わったとか、ある人物が外されたなどが注目されがちです。

新しい事実が判明するには、古文書などが新たに発見されたり、遺跡が発掘されたりなどのケースが考えられます。

研究成果をまとめ、論文で発表され議論が行われ学界で定着するまでにも時間を要します。

そこからさらに、一般書や教科書に掲載されるようになるまでにはかなり時間がかかります。

それ以外にも同じ史料をもとにしながら、分析する解釈が変わったり、研究が進むことでわかることも。

この本でいうと、「士農工商」はなかった、など教科書に載っているものもあればこれから反映されていくものもあります。

この本の中で面白かったのは、中世(亀田俊和氏)、戦国(矢部健太郎氏)、幕末(町田明広氏)の部分です。

これはちょうどぼくが最近関心を持っている時代と関連がある時代という感じですね。

あとは、古代史(河内春人氏)は普段本を読んでいない時代なので興味深く読むことができました。

まとめ

古代から近代まで、最近の研究成果を反映しながら新説を解説しているので最新の動向を知りたい人におすすめの本です。

参考文献とは別に、この本を読んでより深く知りたい人のためのブックガイドも掲載されています。

江戸幕府の大名統制法『大名格差』 | つぶログ書店

中世とはどんな時代か:呉座勇一著『日本中世への招待』 | つぶログ書店

今回紹介した『新説の日本史』

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