『戦国のコミュニケーション』という本を読みました。
戦国時代の書状のやりとりが面白い。
『戦国のコミュニケーション』という本をよみました。
この本は戦国大名たちがどのようにして遠隔地に自らの意思や情報を伝えたのか実例を交えながら解説してあります。
本編自体も面白いのですが、エピローグに戦国時代の通信や情報伝達についてまとめ川あります。
この中に面白いエピソードがありました。
「通信のスピード」の項で、京都の寺院から箱根の寺院まで書状を送った話が書かれています。
この本によると、書状は箱根から京都までは3ヶ月もかかって到着。
そして返信を出したのがなんと8ヶ月後。
これは専用の秘書を立てたり、飛脚を利用せず関東に用事がある人に手紙をことづけるため、人を探していたらこんなに時間がかかってしまったということらしいです。
もちろん、当時は書状のやりとりなど情報の伝達に時間がかかったことは知識としては知っています。
スマホが普及し、世界中どこでもメッセージを送れる現代に生きていると実感としては感じにくい部分だな、と思いました。
戦国大名同士のやりとりだと信頼できる使者が立てられ、書状を披露し口上で詳細な内容を伝えるということもあります。
あるいは飛脚を雇ったり。
ただ、当時はそういうことができる人は余裕がある人は少なかったのです。
そのため用事のある方面に旅する人に預けるなどの手段が取られたようです。
費用を厭わず、専門の飛脚を雇って届けたら誰かに頼むよりは確実ですが、負担がかなりのものになります。
正確な情報を伝えるのは難しい
この本の中に紹介されている他の事例で、大名が報告(注進)を求める書状を送ったら、2日後に使者が来てしまいすぐ重ねて書状を送る、という事例が紹介されています。
情報伝達がこういう方法しかないので、特に軍勢を派遣したり同盟を結んだりなど判断するのにかなり判断が難しいですね。
いくつものルートや窓口があり、情報を知らせたい相手に伝えるのもかなり大変そう。
そういうことを考えると、戦国時代の捉え方も変わってくるような気がします。
あとは情報漏洩の対策として、毛利元就は息子の隆元に書状を読んだらすぐに送り返すように求めていたりします。
毛利元就はかなり筆まめだったようですね。
毛利家は文書の写しを作成したりするなど、文書類を保存することを意識していたようです。
まとめ
歴史の本を読んでいて、どうしてこんなに時間がかかるんだろうと思うこともあります。
でも、この本を読めば当時の情報のやりとりがどんなものかわかり、歴史的な出来事を理解しやすくなります。
戦国時代好きにぜひおすすめしたい1冊です。