『関ヶ原大乱、本当の勝者』を読みました。
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気鋭の研究者編の関ヶ原本
ここ数年、豊臣期〜江戸の歴史に関して興味を持っていろいろ調べています。
その中でも徳川家康が権力を確立した関ヶ原の合戦は、ものすごく重要なポイントですよね。
関ヶ原の合戦は「天下分け目の合戦」として有名で、数々の有名な逸話が知られています。
伏見城の攻防、小山評定、小早川秀秋への問鉄砲、裏切り、島津退き口。
そんな関ヶ原の合戦をめぐる数々の定説を検討したのが、『関ヶ原大乱、本当の勝者』です。
この本では軍記物だったり、徳川家康を絶対視する見方をのぞき、史実を解説しようとするものです。
本書のタイトルが「関ヶ原大乱」となっているのは、関ヶ原の合戦本戦だけではなく、秀吉死後の権力闘争、地方での戦いを含んだ構想を含んでいるからです。
そして、珍しいのは徳川視点でも、西軍視点でもなく、関ヶ原の合戦に加わった主要武将たちそれぞれの「戦い」について解説する列伝形式の本になっている点です。
あと面白いのは、編者の白峰旬さんと違う見解の論考も掲載されている点ですね。
『関ヶ原大乱~』は、白峰さんが執筆者を選んだのですが、かならずしも白峰さんの説にそった執筆者ばかりではなく、そこらへんは気にせず(おそらくですが)、各執筆者が書いているので、各執筆者も何気に大乱(小乱かな)している。ゲラを読んでいてそこが面白いと思ったのですが、いかがでしょう。
— 日本史史料研究会 (@nihonshishiryo1) June 16, 2020
まとめ
関ヶ原の合戦をめぐる一連の権力闘争、および本戦についてこれまで軍記物などで信じられてきた逸話が研究の進展によって
この本は編者の見解とは異なる論考も掲載されているし、関ヶ原の合戦研究の動向を知るのにおすすめですね。
【白峰旬】史料を基にした新しい関ヶ原!『新視点関ヶ原合戦』 | つぶログ書店