すぐれた作品を生むためにできること:アダム・グラント『ORIGINALS』を読んで。

オリジナルズ 書評

オリジナルな人物になるためにはどうしたらいいのか

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』という本を読みました。

知ったきっかけはたぶんTwitterのタイムラインに偶然流れてきたから。

この本の中で一番好きなのは優れたアイデアを生み出すためには数をこなす必要があるという部分。

シェイクスピアはもっとも評価の高い「マクベス」「リア王」「オセロ」などを書いた5年間に凡庸な出来の作品を書いている。

エジソンは膨大な量の発明をしたが、真に誇れるものは片手で足りるといった。

アインシュタインは200以上の論文を世に出したが、世界にインパクトを与えることができたのはその中の本の一部だ。そう、誰もが知っている「相対性理論」だ。

オリジナルな人は特別な人だと思うだろうか。

この本を読むと必ずしもそうではないということに気づくだろう。

「オリジナリティ」のあるアイデアを生み出すためにはたくさんのアイデアを生み出す必要がある。

歴史上の偉人と自分を比べるのは不遜な気がするが、これには勇気付けられました。

ブログの話でいうと、質を高めるか量をこなすかはこれまで何度も議論になってきました。

でも、ベートーヴェンが、モーツァルトが数百もの曲を書いていることを知ると、真にオリジナルな作品(ブログ記事)を生み出すためには量をこなすことが必要だとわかるでしょう。

この本からは先延ばしが必ずしも悪いことではないということも知ることができる。

真っ先に取り掛かったからといっていい結果が出るとは限らないのだ。

マーティンルーサーキング牧師が有名な「I have a Dream!」で知られる演説をしたとき、彼はギリギリまで原稿に手を入れていた。

しかも、歴史的名言となった「I have a Dream!」の4語は原稿には含まれていなかったのだ!

おまけ

TEDのプレゼンテーションも面白いのでおすすめ。

本のエッセンスがまとめられているのでプレゼンを見てから本を読むのもいいですね。

(余談:TEDは日本語字幕が出るし、埋め込んでもおしゃれなのでおすすめ)

まとめ

私たちが一番後悔するのは挑戦して失敗したことよりも、挑戦自体をしないことだったという。

海外の本らしく事例を豊富に引用しながらいかに「オリジナル」な人物になるかについて知ることができる。

現代は、インターネットの登場によってこれまでの時代よりも格段に「人とは違う」ことがやりやすくなったと言っていいだろう。

そんな時代において本書はどのように考え、行動するべきか多くの示唆を与えてくれるだろう。

今回紹介した本

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