図書館利用法が最強である理由:『図書館超活用術』

書評

みなさんは図書館に行きますか?図書館は小説を借りに行ったりする場所で自分とは関係がないと考えている人もいるかもしれません。

インターネットがあるから図書館は必要ないと思っている人もいるでしょうか。

ぼくは小さい頃から本が好きだったので、よく図書館に通っていました。自転車で図書館に通ったのはよい思い出です。

『情報は一冊のノートにまとめなさい』などの著作で知られる奥野宣之さんの新刊、『図書館超活用術』を読みました。

ただ自分の好きな本を借りるだけではなく、図書館を知の拠点として徹底活用するための知識がたくさんつまった“図書館本”でした!

ビジネスに役立つ図書館活用法とは

この本の冒頭で語られているのは”利用者はもっとアグレッシブになるべき”ということです。たしかに雑誌やベストセラーを読むだけでは図書館を利用しきったとはいえないでしょう。

「ふつうに本を借りているだけでは、図書館は永久に使いこなせるようにならない」ということです。

奥野さんは図書館がビジネスパーソンにとってのラボラトリーであり、シンクタンク、自分の可能性を広げてくれるゼミナールになり得ると書いています。

この本では図書館を使う上で基本となる日本十進分類法の説明から、ブラブラと棚を巡る情報の調べ方”ブラウジング”も紹介されています。

図書館の資料検索システム”OPAC”と書棚を往復し、目的の本に辿り着く方法も書かれています。

「OPAC検索」と「棚見」を交互に行うことで、自分の潜在ニーズにぴったり合う本を確実に見つけ出せます。

図書館は全国どこでもあるがゆえに、図書館をビジネスの調べ物のための”ご当地オフィス”として活用するという提案もありました。

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図書館は「個人では所有も管理もできないような膨大な量の本を使える場所」であって、たかだか10冊や20冊の本を借りるだけの場所ではありません。

奥野さんは図書館のことを知るために司書資格を取られたそうです。

調べ物の時間を節約するためには、図書館の専門家である司書の力を借りるのがいいでしょう。図書館にはレファレンスサービスというサービスがあって、司書が調べ物の手伝いをしてくれるのです。

図書館を使うためには

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図書館を利用し尽くすには、ただ大きければいいということもありません。地域にある小さい図書館は全体像を把握するのに便利です。小さい図書館を使いこなすことができるようになると、必然的に大きい図書館を使いこなすことができるようになるのです。

オシャレな内装の図書館や蔵書数の多い図書館に注目がありますが、調べ物をするという本来の目的を考えれば小さい図書館こそ、普段使いには適していると言えるでしょう。

その図書館にない本はリクエストできますし、購入してもらえなくても他の図書館から取り寄せしてもらえます。

奥野さんはガッチリ集中したい時には大学図書館に行ったり、新聞記事をデータベースで検索したい時には所蔵のある図書館に行くなど複数の図書館を目的に応じて使い分けているそうです。

図書館は、職業人としての価値をキープし続けるための「勉強」をする場所でもあるのです。

「使える図書館」を探すためのチェックポイントも取り上げられています。近くにあるか、閲覧席は快適かといったところから、郷土資料や参考資料が贅沢にあるか、有料データベースが使えるかといった通なポイントもあります。

特に奥野さんは有料データベースの有無は、貸出冊数を重視する最近の図書館の傾向から重視されています。貸出を伸ばすためならベストセラーなどを購入したほうがいいからです。

有料データベースがたくさんあるということは、その図書館が貸出冊数を伸ばすことも大事だが、より大切な情報サービスがあると考えているという証でもあるのです。

まとめ

次に図書館に行かれた時は、カウンターで「レファレンスお願いします」と言ってみてはどうでしょうか。

図書館を使いこなすための第一歩になるはずです。

ビジネスにも役に立つ図書館の使いこなし術がわかるおすすめ本です。ぜひ読んでみてください!

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