本を手渡す仕事をするということ:新井見枝香『本屋の新井』

本屋の新井 書評

カリスマ書店員として知られる三省堂書店の新井見枝香さん。

芥川賞、直木賞に並ぶ「新井賞」を設立し、独自の視点で現場に立ち続けています。

そんな新井見枝香さんの2冊めの著書『本屋の新井』を紹介します。

書店員新井見枝香さんを知っていますか?

みなさんはカリスマ書店員の新井見枝香さんをご存知ですか?

こちらが新井さん。

三省堂書店につとめる新井さんは芥川賞、直木賞と並ぶ「新井賞」を自身で設立し、表彰されています。

新井賞受賞作一覧1-8回|文学賞の世界

新井さんが推した本は必ず売れる!ということでメディアにもたくさん出演されています。

今回紹介するのは新井さんの2冊目の著書『本屋の新井』です。

ぼくが新井さんを知ったのは新井賞のニュースをTwitterで見かけたことからでした。

本作の発売が流れてからずっと楽しみにしていました。

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『本屋の新井』の内容

本作は書店員である新井さんの日常をつづったエッセイ集ということになります。

まず見出しの言葉があって2ページほど新井さんの文章が続く構成になっています。

とにかく文章が読んでいて心地いいです。

業界の楽屋話で読者が置いていかれることもなく、世の中を独自の視線で切り取った「点」で表現されています。

一編一編が短いからサクサク読める。でも少しずつ味わうように読んでいきたい。

そんな気分にさせてくれる一冊です。

中でも触れられていますが、本はどこで売っても値段は同じです。しかし、書店には専門店としての矜持が求められる。

また電子書籍や活字離れなどさまざまなニュースを目にする機会も増えました。

ぼくは電子書籍ばかり読んでいる時期がありましたが、一周回って紙の本の良さを見直してきています。

やっぱり「本」というものは愛おしい。この本を読み進める度にそんな思いが強くなっていきます。

新井さん自身の考えや新井賞や書店での仕事に対する思い。それだけで何ページもの文章になってしまいますが、本書では部分部分でそれらは透けて見えるけどおしつけがましくない。

仕事から帰って自宅で少しずつ味わうように読んでいくのもいいのではないでしょうか。

この本を読んだらきっと新井さんに会いに三省堂書店に行きたくなるでしょう。

あとがき

子どもの頃から本が好きでいまもこうしてブログで本について書いています。できることならこの素晴らしい「本」というものができるだけ長く続いていってほしいと思っています。

新井さんの文章は心地いい。本を偏愛するすべての人におすすめです。

本を読むことで生き残ることができる:いま読書に取り組むことについて。

今回紹介した本

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