Led Zeppelinの「イン・スルー・ジ・アウト・ドア」は未完成の瞬間を記録した名盤。

Led Zeppelinのイン・スルー・ジ・アウト・ドア 音楽

Led Zeppelinの最後のアルバム

Led Zeppelinの「イン・スルー・ジ・アウト・ドア」というアルバムを知っていますか。

まさに伝説と言えるバンドの事実上の最後のアルバム。

シンセサイザーを取り入れ、サンバやカントリーをも取り込んだ意欲作です。

Zeppelinのアルバムのなかでは比較的語られることが少ないアルバムかもしれません。

でも、こういうアルバムが一番面白いのではないかという気がしています。

それは彼らほどのスキルと才能があれば、過去のヒット曲に似た曲をまた書くというのもできたはず。あえてそれをせず、批判が起こる可能性がある道を取ったのはすごいことです。

常に変化していくというスタイル

Zeppelinではアコースティック、フォークに接近した「Led Zeppelin Ⅲ」も当時は評判がよくなかったと聞きますし、一旦売れてしまうとファンやマスコミ、評論家の声が気になるものですよね。

それをあえてなのか、単に好きな音楽をやっただけなのかはわからないものの、これまで評価されたものとは別なことをするのは勇気のある決断だと思います。

セールスとはまた別な面で音楽が好きでいろいろやってみたかったんでしょう。

ビートルズもそうですが、他の追随を許さないほど売れていたから影響力があり、好きなことができた面はあると思います。

ジミー・ペイジはジョン・ボーナムの生前、「イン・スルー・ジ・アウト・ドア」の次のアルバムはすごくヘビーなアルバムにしようと相談していたと読んだことがあります。

世界は彼らの新作を待ち続ける

先にも書きましたが、「イン・スルー・ジ・アウト・ドア」は意欲作、挑戦作といえる立ち位置のアルバムです。

Zeppelinは新世代のバンドに「ダイナソー(恐竜:時代遅れ)」といわれながら、今作のような手を打ってきたわけですからね、次の作品がどんなサウンドになったのかはジミー・ペイジの頭の中にしかないのかもしれません。

ロックのなかにはこういう瞬間が何度かありますね。

ジミ・ヘンドリックスだったり、ジョン・レノンだったり、ジャニス・ジョプリンだったり、彼らの「新作」がいまだに発売されるのは、素材がありいまだにファンが多いという事情に加えて、新作を聴くことができなかった「渇望感」、「飢え」みたいなものを味わったからでしょうか。

まとめ

そう、Led Zeppelinはバンドとして発展途上の状態で解散してしまった、永遠の未完成ともいえるのではないでしょうか。

ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンにおける「スマイル」のようにオフィシャルで曲としての「素材」があるわけではないので、まあ妄想するしかないのですが、ロックファンとしては考えてみるのも面白いのではないかと。

「永遠の未完成」、ぜひ聴いてみてください。

Led Zeppelinがすごく好きです。でも不思議なバンドとも思う。

今回紹介したアルバム

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