最近黒川博行さんの『疫病神』シリーズにハマってシリーズをどんどん読みすすめています。
特に一番最近読んだ『破門』がよくて、あまりの面白さに夢中になって読みました。
面白い本を探している人におすすめします。
疫病神シリーズにハマっています
最近、作家黒川博行さんの疫病神シリーズにハマっています。
疫病神シリーズはドラマや映画にもなっているので、知っている人も多いでしょう。
建築コンサルタントの二宮とヤクザの桑原のコンビが活躍する著者の代表作シリーズです。
これまでに
- 疫病神
- 国境
- 暗礁
- 螻蛄
- 破門
- 喧嘩(すてごろ)
- 泥濘
の作品が刊行されています。
関西を舞台に大阪弁で、二宮と桑原がボケとツッコミのような軽快なやり取りを見せるのが楽しいです。
直木賞を受賞した作品としなかった作品/黒川博行『破門』と『国境』 – シン・くりごはんが嫌い
直木賞受賞作『破門』
さて、今回取り上げるのは直木賞を受賞した『破門』です。
著者自身6度目の候補で受賞にいたりましたが、それを抜きにしても一級のエンターテインメントとなっていて、大衆文学を対象とする直木賞にふさわしいといえます。
「わしのケジメは金や。あの爺には金で始末をつけさせる」映画製作への出資金を持ち逃げされた、ヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮。失踪したプロデューサーを追い、桑原は邪魔なゴロツキを病院送りにするが、なんと相手は本家筋の構成員だった。禁忌を犯した桑原は、組同士の込みあいとなった修羅場で、生き残りを賭けた大勝負に出るが―。直木賞受賞作にして、エンターテインメント小説の最高峰「疫病神」シリーズ!
映画の出資金を巡る攻防ですが、少しも目が話せず一気読みしてしまいました。
実はこの本、金沢に仕事で行くときに電車内で読み始めたのですが、ずっと車内で夢中になって読んでいました。
普通エンターテインメント系の小説には恋愛要素が欠かせませんが、『疫病神シリーズ』はちょっと雰囲気が違います。
男同士の欲望、意地のぶつかり合い、バイオレンスなどにフォーカスされていて、恋愛はでてきません。
女性を描くのは本作では気にしていないというか、濃く男たちの攻防・バイオレンスを描くために削ぎ落とした感じです。
本作でも映画の出資金を巡るいざこざに二宮・桑原コンビが巻き込まれ、ちょっとしたことからどんどん背景が大きくなっていきます。
ただ文章のテンポがよく、読み始めるとあっという間に引き込まれてしまいます。
ストーリーはちょっと違いますが、イメージとしてはタランティーノ映画みたいな感じですね。
本作品は日本のエンタメ作品として成立していて本当にすごいと思います。
金沢への出張のときに黒川博行の疫病神シリーズを読んでいて、ハマってしまった。前から少しは読んだことがあるが、旅先で読むのはまた格別ですね。いままではKindleだったので、文庫で読むと感覚が違って面白い。文庫のほうが頭に入ってきやすい。ほかの作品も読んでみよう。
— つぶあん@福山凡人ブロガー (@ttsubuan) 2018年12月3日
まとめ
『疫病神』シリーズは、エンタメに徹するためか余計なものを削ぎ落として、とことんストーリーの面白さを追求しているのです。
これまで読んだどの作品もすこぶる面白く、今回読んだ『破門』ですっかりハマってしまいました。
暴力は出てくるものの、そこまでドギツいものではないので面白い小説を探している人にはまずすすめたい作品です。