織田信長といえば何度も大河ドラマになっている日本史上でも屈指の人気の人物。
イメージとしては古い権威を破壊する革命児というものでしょうか。
でも、この信長のイメージは最新の研究によって変わってきています。この本では最新の研究による織田信長に迫ることのできる充実の一冊です。
最新の研究に基づく織田信長を知る本
こんにちは、つぶあんです。
ぼくは昔から戦国時代の本をよく調べていますが、戦国時代で屈指の人気を誇るのはなんといっても織田信長です。
信長は過去にたくさんの小説、大河ドラマにもなっていることもあり、日本史全体でも最も知名度のある人物といってもいいかもしれません。
その信長には「革新者」「合理主義者」「革命児」などのイメージがあると思います。
しかし、これらのイメージは近年の研究によって見直しが進んでいます。
今回は信長研究の最新情報をマンガでわかりやすく知ることのできる本を紹介します。
それがすずき孔さん著『マンガで読む新研究織田信長』です。
では、見ていきましょう。
『マンガで読む新研究織田信長』Amazonから届いていた。ちょっと読んだけどすごくいい感じ。じっくり読むのが楽しみだ。 pic.twitter.com/7gPG6tqJUE
— つぶあん@福山ブロガー (@ttsubuan) 2018年10月8日
織田信長のイメージが変わる!
「マンガで読む新研究織田信長」戎光祥出版 柴裕之先生:監修 すずき孔:マンガhttps://t.co/wS1jvmjvlB
9月27日〜10月9日頃に順次全国の書店さまに並びます。
並んでいない書店さまではぜひご注文を!
宜しくお願いしますm(_ _)m pic.twitter.com/EWNpQ7ydFL— すずき孔『マンガで読む戦国の徳川武将列伝 (@kou_mikabushi) 2018年9月30日
タイトルにあるようにマンガでわかりやすく最新の研究をもとに信長を描いているのが本書の特徴。
絵の感じは引用したツイートのイメージです。
信長といえばかならず語られる「天下布武」という言葉。これは織田家が美濃を攻略したあとに書状に押す印章として使い始めたものです。
イメージでは「天下統一を目指す!」という宣言のような感じでしたが、これは「武力で畿内に号令する」という意味です。
足利義昭を擁して上洛したこともこの一環です。
これまでのイメージでは義昭は信長包囲網を結成するなど対立関係にあるようなものでした。
しかし、信長が義昭を追放するまでは直前まではお互いに「権威」と「武力」で協力関係にあったというのが驚きでした。
この本を読んで感じたのは織田信長という人物がかなり「不器用」なタイプであるということ。
「権威を否定し、合理的な」というよりは「権威を尊重し、現実と折り合いつける」タイプであったということです。
秩序を重視して「天下静謐」という理念のもとに行動していったら勢力が拡大し、周辺大名とも対立の火種を抱えるようになっていった感じですね。
人間織田信長を知ることができる
この本を読むと、戦国時代は織田信長という突然変異ともいうべき「革命児」が登場して終わったのではなく、結果として、信長・秀吉・家康という段階を経て変わっていったということがわかります。
でもこれって現代の政治でもそうですよね。
改革をしようと思って新しい政策を実行しようと思っても、毎日の仕事もあるし、今日からいきなり新制度!というわけにはいきません。
織田信長が英雄であることには変わりありませんが、その信長も「時代の子」であったということ。
その意味では最新の研究を反映させながら、「人間」織田信長に迫った一冊と言えるかもしれません。

秀吉によって再建された本能寺にある信長公廟(2014年撮影)
まとめ
時代を変えた英雄であるという事実は変わりませんが、現代と戦国時代がまったく違う時代であるように織田信長という人物の評価も変化するのだと思います。
史跡ガイド、織田一族人物辞典、年表もついていて、これから織田信長について調べたいという人にまず読んでほしい本になっています。
とてもおすすめの一冊です!