日本衰退論のような論考を見かけることも増えてきました。
一番の問題は「知」の分野、学問に力を注ぐ余裕がなくなってきたことです。
大学ではもともと就職活動との絡みもあり、学問にとって万全な環境ではありませんでした。
日本の学問が心配だ
ここ数年で「日本衰退論」的な論調の記事をよく見かけるようになりました。
その是非はともかく、全般的に余裕がなくなってきたのではないかと思います。
中でも文系、理系問わず直接ビジネスに役立たない学問に対する風潮も個人的には感じます。
一見役に立たない研究に対する風当たりが強くなっているような風潮がありますが、いつか訪れるかもしれない復活の日のために、うちのような小さい昆虫館でも基礎研究の灯を消さずに守っていきたいと考えています。
— こぶ屋 (@kobuyahazu) 2018年5月29日
個人的にはこの余裕のなさが衰退するより問題だと思っています。
国立大交付金、成果で増減 先端分野を底上げ:日本経済新聞 https://t.co/xxXPL7SazH
こういうのよくないよねー。郷土史や地元の研究とか「金にならない研究」は評価されず基礎研究能力が落ち続ける結果になるんだよね。結局。— もへもへ (@gerogeroR) 2018年5月28日
就職活動のルール撤廃が話題になりましたが、それもより一層学問へ力を注ぐ機会を削減することになるのではないと思えてなりません。
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— 東洋経済オンライン (@Toyokeizai) 2018年11月2日
大学での努力も必要になりますが、日本では寄付文化があまりないのか寄付金が日本でも一番多い慶応大学でも80億円台と資金の面でも学問を支えるには足りません。
現状でも就職活動のため早期から活動する必要があり、大学の授業を休んだりするのですからこのままでは別な意味で日本が地盤沈下してしまいます。
また大学に残り、学問の道に志しても非常勤だったり期限付きだったり若手の研究者の環境は決して恵まれたものではありません。
まとめ
ぼくは大学時代に日本史を専攻していたので、いまだったら役に立たない学問だといわれていたかもしれません。
しかし、本質的には役に立たない学問は存在しないはず。
いま一度日本全体が「知」に対する認識を新たにしなければいけない場面に来ていると思います。