最近は歴史への関心の高まりとともにお城に興味を持つ人が増えています。
歴史の研究が進み、従来の常識が変わるのと同じことがお城の世界でも起きています。
今回はお城の最新研究から城歩きのコツまで一冊で学べる本を紹介します。
お城に興味を持った人におすすめの本
歴史ファンにはおなじみかもしれませんが、「テレビ、雑誌などで教科書で昔学んだことがこんなに変わった!」という記事などをよく見かけることがあります。
城に関する研究も進んでいてなんとなくイメージで知っていた知識が古くなっていることがあります。
そんなときは城のプロの最新講座で知識をアップデートさせましょう。
この本は「講座」をイメージして書かれています。著者はNHK大河ドラマ「真田丸」で城や合戦シーンの考証を担当された西股総生さん。
全体が48のテーマに分かれていて、それぞれが5つのくくりで書かれているのが特徴です。
- 城にまつわるその常識、大丈夫ですか?
- 乱世の城は大忙し!
- 間違っています、あなたの城歩き!
- 城と戦いをめぐるあれこれ
- 城と上手な付き合い方
一つひとつのテーマは長くなくサクッと読めるのでお城初心者、城好きで知識を補強したい人など幅広い人にすすめることができる1冊です。
城の「本来の姿」とは?
現代に生きるぼくたちが忘れがちなのが、城は戦うための施設であるということ。
現代では城で戦うことなど想定されておらず観光地のような存在になっていることから、城の本来の姿が見えにくくなっています。
いま城といえば姫路城とか彦根城、大阪城などをイメージしますが、それは信長・秀吉・家康の天下統一の過程でそういった城が広まったから。
日本で築かれた城のほとんどは地味な「土の城」だったのです。
城をどの場所に築くかも、領内のほかの城との連携が必要になりますし敵から攻め込まれたときに相手の障害になるような場所になければなりません。
この本で知ったのは、城攻めで城内に向けて総攻撃をかけるときは日没までに勝負を決めなければならなかったこと。
それはすべての場所を制圧しないまま勝手のわからない城内で夜を過ごすのがあまりに危険だからです。
普段お城の本を読まない人ほど、これまで持っていたお城の知識がアップデートされていくので面白く感じるはずです。
「無限の個性が存在することが城の面白さ」という文がありますが、本当に同感です!
まとめ
城といえば天守というイメージがありますよね。
それもいいのですが、地味な「土の城」でも場所や役割、縄張りなど見るべきポイントがたくさんあるんです。
城歩きのコツもわかるので、この本を片手に城の知識を深めていきましょう!
世界的巨大城郭の魅力を一冊で!『江戸城の全貌』【荻原さちこ】