素晴らしきビートルズ日本盤の世界。『ビートルズ日本盤よ、永遠に』

ビートルズ日本盤 書評

ビートルズが一番好きなバンドなのですが、これってよく考えたらすごいことです。何十年前のバンドがいまだに世界の心を捉えて放さないのです。今回はビートルズがいかに日本で受け入れられていったのかについて語れた本を紹介します。

ビートルズが日本でいかに受け入れられていったのか

中学時代にビートルズと出会ってから、現在までずっとビートルズを聴き続けています。

高校に入ったころにナンバーワンヒットだけを集めた『ビートルズ1』がリリースされ、世界的にヒットしました。

その当時読んだビートルズの本にビートルズの書いた曲は20世紀のサウンドトラックになったと書いてあったのをよく覚えています。

今でいうロックバンドというフォーマットが一般的になったのはビートルズの活躍が大きいでしょう。

デビューして、バンドとして活動した期間は10年もないものの、現在まで影響を与え続ける存在はまさにマスターピースです。

今回は昔に読んだ本ですが、ビートルズがどんな風に日本で受け入れられていったのか、リアルタイム世代の目から見た本を紹介します。

ビートルズの日本盤とは?

それは『ビートルズ日本盤よ、永遠に―60年代の日本ポップス文化とビートルズ』という本です。

ビートルズの日本盤がなにかというと、日本で独自に編集されたビートルズの編集盤といえます。

ビートルズの本国はイギリスで、アルバムは本来ならイギリスで発売されたものが基準になります。

しかし、当時は各国でイギリス盤を基準にしながらも独自に編集してアルバムをリリースしていたのです。

ビートルズのアルバムが各国同じ仕様で発売されるようになるのは、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』からです。

今ではアルバムの内容を変えるなんてとんでもないことで、ありえないことでしょう。

この本でも紹介されていますが、当時の東芝EMIでディレクターをつとめていた高嶋さんは、アーティストを選び、作詞作曲をコントロールできる日本のアーティストに比べて、洋楽の担当ディレクターはクリエイティブな面で働けることが少ない。その代わりに、邦題をどうするか、どの曲を収録するか、曲順をどうするかに命をかけていたと語っています。

映画のタイトルも海外版のタイトルをカタカナに直したものが多くなっている現在から見ると、信じられないような話です。

契約的にも大らかな時代だったのでしょう。

というか、アルバムの位置づけ自体もヒット曲集という性格が強く、アーティストが作品として100%コントロールする現在とは全く違います。

日本におけるビートルズのトピックといえばなんといっても日本武道館公演でしょう。

会場にいた文化人たちはビートルズの演奏が聞こえないと証言していますが、著者を含め会場にいた若者たちにはしっかり聴こえていたというジェネレーションギャップが面白いです。

インターネットが発達した現在でも海外の動向というのは時間差なく日本に入ってくるという状況ではありません。

日本と海外の壁が今よりももっと大きかった時代。

日本は世界的アーティストとどのように向き合ったのか。貴重な記録だと思います。

ビートルズ

photo credit: Tracy A Vickers Homeless sleeper in Liverpool via photopin (license)

まとめ

ロックが不良の音楽といわれた時代。

この本は、ビートルズがいかに日本で受け入れられていったのか、その過程を知ることができますし、文化的に貴重な記録です。

いまでは各国共通の内容でリリースされるアルバムも、当時はこれだけ内容が違っていたというのが面白いです。

10年以上前の本ですので、手に入りにくいかもしれません。

気になった方は中古か、図書館で探してみてください。

今回紹介した本

ビートルズ日本盤よ、永遠に―60年代の日本ポップス文化とビートルズ