ごめんなさい、不便益ってなんですか?不便は手間だが役にたつ!?【書評】

不便益本 書評

不便益の本を読んだよ!

不便益に関する本を読みましたよ!

いきなり不便益といわれてもなんのことかわからないでしょう。

不便益とは現代社会のものさしからは「不便」と思われがちなことに「益」を見出すことです。

この本は正式タイトルがものすごく長くて、

『不便益という発想〜ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも 行き詰まりを感じているなら、 不便をとり入れてみてはどうですか?』

というものです。

つぶあん
すごく長いですね・・・。

本の中でも触れられていますが、このタイトルの長さそのものがまさに「不便益」になっているという。

この本を買ったのはブロガーnarumiさんの記事を読んだからです。

「不便にも意味がある」という理解を出発点に、社会や人間について考えさせられる本。

引用:生活が一変した! 2017年に買って良かったモノまとめ : Blog @narumi

本書はミシマ社とインプレスが立ち上げた「しごとのわ」というレーベルからのリリースとなります。

それでは見ていきましょう。

不便益ってなんぞ?

著者は京都大学の教授、川上浩司さん。

川上浩司先生|京大先生図鑑|探検!京都大学

川上さんは便利なことと豊かなことがイコールなのかということに興味を持ち、「不便益」の事例をコレクションしています。

考えてみれば私たちは「便利=いいもの」、「不便=悪いもの」と考えがちです。

しかし、この本では「ちょっと待てよ、不便だかといって悪いものだとは言い切れないのでは?」と考えるようになっています。

不便益の本

たとえば富士登山。

富士山には毎年たくさんの方が登っています。ここにエレベーターがあったらどうでしょう。

たしかに登るのは圧倒的に楽になります。

しかし、登山は自分の足で苦労して登るから価値があるのであって一足跳びに頂上までいけてしまったら興ざめですね。

これにはほかにも例があって星野リゾートをはじめとする高級ホテルには行くのに苦労する場所にあるのに人気があって予約が取れないという場所があります。

これもなかなか行けない=非日常というところが価値になって、不便だけど「益」があることになっています。

旅行だってパックツアーで何から何まで旅行会社に用意してもらうよりは、乗り換えもホテルも自分で苦労しながらプランニングした方が記憶にもよく残ります。

この間ブログで書評を書くのに紙の本の方が書きやすいという記事を書きました。

紙の本のほうが書評を書きやすいのかもしれない。 | つぶログ

この記事を書いた時はこの本のことを知らなかったけど、よく考えてみればこれも不便益なのかも。

便利さだけでいったら電子書籍の方が楽なのに紙の本の方が頭に残っていたり、いろいろな感覚を刺激する気がして本の感想を書きやすい気がしたんです。

楽なばかりがいいってわけじゃないっていう一例ですね。

不便益の性質

不便益の性質は以下の6つです。

  • アイデンティティをつくる

先ほどの星野リゾートのように不便だからこそ、アイデンティティが与えれる場合です。

  • キレイに汚れる

たとえばこういうのでしょうか。

  • 回り道、成長が許される

回り道をした時に新しいお店が見つかることってありますよね。

  • リアリティと安心

ものすごく複雑で仕組みのわからない機会よりも昔ながらの古い設備の方が愛着がわいたりします。

  • 価値、ありがたみ、意味
  • タンジブルである(実際に触れることができる、手触りがある)

デジタル全盛の時代でもアナログの良さが見直されることもあります。

最近はカセットテープが人気で人気アイドルでんぱ組.incさんもカセットテープで曲をリリースしました。

いつも見ている風景、習慣を違う目で見ることを教えてくれるいい本です。

こういう本との出会いがあるから本を読むことはやめられないのです。

まとめ

この本は出かけた先の名古屋で購入しました。

旅先でこういう本に出会えるのも楽しいものです。

著者の川上さんは便利を否定しているわけではありません。

不便だからこそ得られることを考えて見ましょう、というスタンスですね。

つぶあん
手間をかけ、頭を使わなければ得られない益がある

あなたの周りの「不便益」も探してみてください。

苦労するかもしれないけれど、見つけると毎日がちょっとだけ楽しくなるかもしれませんよ。

今回紹介した不便益の本

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