図書館で面白い本を読みました。歴史は見過ごされがちな細かいことの連続で成り立っていると思います。
歴史は細かい部分の連続だ
図書館で『日本近世の歴史〈3〉綱吉と吉宗』という本を見かけて気になっていた時代なので手に取って読んでみました。
こういう本は歴史の流れを知るのにも役立ちますが、埋もれている歴史上のエピソードを知ることができるのが面白いのです。
この本で面白かったのは、徳川吉宗が神社に参詣した折、大岡忠相に「越前守まかり出で候哉」と声をかけたとのこと。
大岡忠相は直答(直接将軍に返答すること)できないため、平伏してこれに答えた。
たった一言声をかけられただけですが、将軍から名指しで呼ばれることはとても名誉なことであり、翌日に忠相は将軍側近のもとにお礼を述べに言っています。
将軍には国持ち大名といえど、儀式の際には直答できないほどの権威がありました。
こういったエピソードから最高権力者である将軍吉宗の人となりがうかがい知れるようです。
図書館に行ったら、「徳川実紀」をパラパラと見ることがあります。
「徳川実紀」は幕府の公式記録を将軍ごとにまとめたもので、日付ごとになにがあったか書いてあります。
ほとんどは将軍の行動や、大名への対応、人事などが書いてあります。まれに将軍の言動や意志が読める部分があってとても興味深いです。
こういった本を読むと本当に歴史はディテールの集まりなんだと実感します。
公家などの日記も読んでみると意外と楽しいもので、多くは備忘録としての役割がありますが、時にはぎょっとするようなエピソードが書いてあります。
また、重要な儀式の日にずっと雨だったなどと書いてあると、なんだか現場の状況を想像します。
興福寺の「多聞院日記」では、本能寺の変の日の噂や、徳川家康が秀吉の死後伏見城に入城したときに家康が「天下殿」になったと書いてあって面白いです。
まとめ
研究が進んだ結果、よく知られた歴史上のできごとの意味合いが変わることがあります。
しかし、歴史も我々の日常のように、日々の繰り返しであったのです。
その部分はなかなか広まりにくいですが、また面白いところを見つけたら記事にしたいと思います。
photo credit: DocChewbacca 31 Exploring Mount Nokogiri via photopin (license)