エラリイ・クイーンの『九尾の猫』を新訳版で読んだ!

書評

アメリカのミステリ作家、エラリイ・クイーンの『九尾の猫』を読みました。

久しぶりのエラリイ・クイーン。

久しぶりにエラリイー・クイーンの作品を読みました。

読んだのは中期の作品『九尾の猫』。

エラリイー・クイーンはいとこ同士によるコンビ作家です。

クイーンの作品は海外ミステリにハマっていた時期に有名な国名シリーズなどを読みました。

ただ『九尾の猫』は読んだことがなかったんですね。

エラリイ・クイーンを読もうと思ってから、作品リストをみてどうせなら初めての作品で、ということで選びました。

謎多き連続殺人

巨匠の異色作が新訳で復活!
次から次へと殺人を犯し、ニューヨークを震撼させた連続絞殺魔〈猫〉事件。すでに五人の犠牲者が出ているにもかかわらず、その正体は依然としてつかめずにいた。指紋も動機もなく、目撃者も容疑者もまったくいない。〈猫〉が風のように町を通りすぎた後に残るものはただ二つ――死体とその首に巻きついたタッサーシルクの紐だけだった。過去の呪縛に苦しみながらも、エラリイと〈猫〉の頭脳戦が展開される! 待望の新訳版

九尾の猫〔新訳版〕-ハヤカワ・オンライン

舞台はニューヨーク。

絞殺し、首にシルクの紐を巻く“猫”と呼ばれる犯人がニューヨークを恐怖に陥れています。

作家エラリイー・クイーンは“猫”事件の責任者となった父とともに特別捜査官として捜査に加わります。

本格ミステリというよりはサスペンスものといった方がいいかもしれません。

ジェフリー・ディーヴーのリンカーン・ライムシリーズのような読み味です。

パズラーという言葉がありますが、この本は事件や人間によりフォーカスが当たっている感じ。

さすがに現代の作品のようなスピード感ではありませんが、いい映画を見てるような感覚を持ちました。

この作品は戦後すぐの1949年の刊行ですが、ほぼ時代を感じることはありません。

久しぶりに夢中になって本を読む体験をしました。

登場人物たちのクスッとさせる会話もありますが、ハリウッド黄金期の映画を見ているような感じになりますね。

ちなみにエラリイー・クイーンものですが、この作品単独でも十分楽しめます。

前の作品(事件)について作中で触れるシーンはありますが、事件自体は独立したものです。

まとめ

ふと思い立って「久しぶりにエラリイ・クイーンでも読んでみるか」と思って、どうせならはじめての『九尾の猫』をと手に取って正解でした。

ただ謎を解くだけではなく、エラリイ・クイーンの苦悩や個性豊かな登場人物たち、そして魅力的な展開を楽しむことができました。

ぜひ、読んでみてください。

今回紹介した『九尾の猫』

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