天下一の巨大城郭江戸城
ぼくは小学生のころから日本史が好きで、社会人になったいまでもよく本を読んでいます。
それも歴史小説や時代小説ではなくて、人物や事件を解説した本を読むことが多いですね。
そして歴史好きのご多分に漏れず、お城も大好きでして頻繁ではないもののいくつかのお城をめぐっています。
そういう歴史好きにとって避けては通れないお城といえば、なんといっても江戸城です。
実は江戸城は日本でも有数の建築や縄張りが残っているお城なんです。
その理由としては、戊辰戦争で江戸での決戦が避けれれたこと、明治になって現在の皇居になったことがあげれらます。
江戸城は世界的巨大城郭として知られていまして、そんな江戸城のことを理解するのに最高の本を紹介します。
それが荻原さちこさんの『江戸城の全貌』です。
本書ではこのような築かれた時代背景、立地や地形、設計などの特徴はもちろん、城の変遷、天守や御殿の構造や装飾、石垣の積み方や石材の採石法、さらには江戸の町づくりや幕府のしくみまで、さまざまな視点から江戸城の全貌と魅力に迫っています。
江戸城のことはこれ一冊でOK!
江戸城の成り立ちから、築城の歴史、天守、御殿、石垣、江戸城を歩いて見て回るなど、これ一冊で江戸城のすべてがわかるといっても過言ではありません。
わたしたちが知る江戸城は実質的には徳川家康が関東に移封されてからはじまったといってもいいでしょう。
ちなみに江戸時代において徳川家康が初めて江戸に入った「八朔の日」は重要な行事のひとつでした。
江戸城は将軍の権威の象徴として拡大を続けて、完成したのは三代将軍家光のころ。

お城といえば天守閣という人も多いですが、江戸城の天守は火事で焼失してから再建されることはありませんでした。
この本を読んで知ったのは、江戸城は本当に火事が多いということ。
本丸御殿が火事にあったという表があるのですが、いかに火事は江戸の華といっても多すぎではないかと思うほどです。
幕末に焼失した際には、予算不足からか本丸御殿が再建されることはありませんでした。
そういうエピソードもこの本から学ぶことができます。
江戸城の内部に興味あり
個人的に興味があるのはその内部の構造。
江戸城は幕府の政庁として機能する「表」、将軍の生活の場である「中奥」、将軍正室である御台所をはじめとする「大奥」にわかれていました。
「表」では大名が登城して控えている部屋も格式ごとに分けられ、城内での振る舞いも細かく規定されていました。
それは将軍に謁見するときに畳の何畳目まで進んでよいかということにまで及んでいて、大名たちはそういった決まりに縛られているうちに精神的に将軍の権威が刻み込まれていきました。
江戸城において徳川将軍がどのように君臨したかについてはこの本が詳しいです。
この『江戸城の全貌』では、城に使われた石垣の石がどこから運ばれたのか、城内の見どころ、広大な城の現在を巡るなど天下一の城の入門に最適な一冊になっています。
ぼくも城好きの1人ですが、まだじっくり巡ったことはないので東京に行ったときにはこの本に書いてあることを思い出しながら、いろいろ見て回りたいと思っています。
まとめ
お城を取り上げた本を読むと、城のイラスト、小写真、城内でのエピソードなどそれぞれの本で特色がありますが、この『江戸城の全貌』のようにすべてを網羅したような本は少ない印象です。
読んでいるうちに江戸城だけではなく、自然とお城全体への知識も深まっていくのが高ポイント。
世界的な巨大城郭ということで、城好きは絶対外せない本です。