自分の力に限界を決めないこと。【論語】

孔子『論語』 書評

今日図書館でたまたま本を見ていたところ、『論語』の一節で素晴らしい言葉に出会いました。

自分を過小評価する弟子に対する孔子の励ましの言葉です。

折に触れて思い出したい言葉に出会いました。

自分で自分に限界をつくらない

今日とてもいい言葉と出会いました。

それは『論語』の一節。

誰もが教科書などで聞いたことがある『論語』ですが、あまり接する機会もありませんでした。

今日出会ったのは

今女(なんじ)は画(かぎ)れり。

という言葉です。

訳すると「お前はいま自分(の能力)に見切りをつけている、限界を設けている」というくらいの意味。

『論語』の中の雍也第六の中にこの言葉はあります。

この一節はがどういう流れで出たかというと、弟子である冉求の発言に対する孔子の言葉です。

冉求が「先生(孔子)の教えを受けるのは嬉しいですが、私には力が足りません。」という発言を受けてのもの。

孔子は弟子を励ます意味で「力の足りないものは途中で諦めてしまう。お前はいま自分の力を限定してしまっている。(がんばりなさい)」といいました。

この言葉を知ったときはハッとしたというか、何千年も前の縁遠かった偉人の言葉が現代のぼくの心を動かすというのはすごいことだと思いました。

『論語』は記述自体はきわめて簡単でサラッと読み飛ばしてしまいそうになります。

今回紹介した言葉の一節も全文で

冉求曰「非不說子之道,力不足也」子曰「力不足者,中道而廢、今女畫」

というシンプルなもの。

しかしこの短い文章の中に、偉大な教師である孔子に対して自分を過小評価する冉求と、自分の弟子に力を発揮してほしいと願う孔子の思いが現れているように感じます。

『論語』は昔からずっと古典として残り、多くの人が学び続けてきただけあって人生について考えるヒントがたくさん散りばめられています。

論語の一節

まとめ

今回紹介した言葉は中国思想を学んでいる人にとっては広く知られている言葉なのかもしれません。

ぼくも十数年前に岩波文庫の『論語』を買ったものの、全く知りませんでした。

しかし、こういう言葉に偶然出会って知ることができるというのも読書の喜びではないかとも考えます。

自分の力を過小評価してあきらめそうになったとき、「今女(なんじ)は画(かぎ)れり」と自分自身に問いかけたいです。

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