【コラボ書評】ずっと待っていたんだよ:佐藤正午『月の満ち欠け』

佐藤正午 月の満ち欠け 書評

月連載しているコラボ書評。今回のテーマは巨大自動車企業を舞台にした『トヨトミの野望』です。

毎月連載のコラボ書評

このブログでは、ブログ「坂本、脱藩中。」のさかもとみきさんと毎月コラボしている書評を書いています。

前回のコラボ書評は梶山三郎著『トヨトミの野望』でした。

コラボ書評とは2人のブロガーが同じ本を読み、感想をお互いに書くという内容です。

ぼくはさかもとさんにいろいろ相談をしたり、Twitterで交流をしていました。話の流れで「コラボしたいね」という流れになり、お互いに本好きということもあり書評を書きあうというスタイルになりました。

面白いのは同じ本を読み合っていても、人によってこうも感想が違うのかという点がわかる点です。

  • 過去のコラボ書評はこちらから。

毎月連載のコラボ書評まとめ【つぶあんとさかもとみきさんの書評】 | つぶログ

コラボ書評
毎月連載さかもとみきさんとのコラボ書評!

今回のテーマは佐藤正午『月の満ち欠け』

今回のテーマ本はさかもとさんが選んだ佐藤正午さんの『月の満ち欠け』です。

佐藤正午 月の満ち欠け

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岩波書店
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本作は第157回直木賞受賞作。以下があらすじです。

あたしは,月のように死んで,生まれ変わる――この七歳の娘が,いまは亡き我が子? いまは亡き妻? いまは亡き恋人? そうでないなら,はたしてこの子は何者なのか? 三人の男と一人の女の,三十余年におよぶ人生,その過ぎし日々が交錯し,幾重にも織り込まれてゆく,この数奇なる愛の軌跡.プロフェッショナルの仕事であると選考委員たちを唸らせた第一五七回直木賞受賞作,待望の文庫化.

本作の解説(特別寄稿)は作家の伊坂幸太郎さん。

文体、展開、人物など、これは伊坂さんが好きな感じだと納得するし、この点は伊坂さんを読んだことがある人には納得してもらえるはず。

その文章の中で伊坂さんが面白い作家としてパッと出てくるのが本作を書いた佐藤正午と絲山秋子とあげているほどです。

岩波文庫らしくない!?

本作は“岩波文庫的”文庫。

古典が多い岩波文庫に本作のようなテイストの作品が収録されていることに驚いたが、Web岩波によると

「岩波文庫」への収録も検討しましたが、長い時間の評価に堪えた古典を収録する叢書に、このみずみずしい作品を収録するのは尚早と考え、でも気持ちは岩波文庫という著者のちょっとしたいたずら心もあり、「岩波文庫的」文庫になりました。

読む前は岩波も攻めているな〜と思いましたが、ちょっとした遊び心もいいものですね。

本作を読んでの感想

本作は生まれ変わりをテーマにしたサスペンスという感じ。サスペンスという言葉は適当ではないかもしれませんがある意味「謎」を巡る物語だからです。

すべての筋書きを説明してしまうとそれはネタバレになってしまいます。

ただ、ぼくの文章力できちんと筋道立てて説明するのは難しいです。

とはいえ、難解ということはなく、楽しんで読める作品であることは間違いないと思います。

先ほどの引用に「みずみずしい作品」とありましたが、本当に感性で書いた作品のような印象を受けましたが、作者の佐藤正午さんは1955年生まれの64歳なんですね。

20代の作家が書いたような、読んだあとに感じたのは展開、内容とも違うけれど、作品に流れるテーマは「君の名は」と共通する雰囲気に思いました。

「強い思いは時空を超える」ということが裏テーマとしてあるのかなと。

冒頭のシーンも含めて最後まで読んだ後に読み返してみるといろいろな伏線があることがわかります。

「君の名は」が好きな人は読んでみると共感できるかもしれませんよ。

久しぶりにこういうテイストの作品を読んだかもしれません。

まとめ

普段読まないタイプの小説で面白かったです!

今回さかもとさんが選んでくれなかったら、直木賞受賞作とはいえ読まなかったかもしれないです。

ぜひ、読んでみてください。

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さかもとさんの書評

さかもとさんの書評はこちらから。

どんな感想なのか楽しみです。

今回紹介した本

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