【コラボ書評】不幸ではない、家族の物語『そして、バトンは渡された』【瀬尾まいこ】

seo maiko そして、バトンは渡された 書評

毎月連載のコラボ書評

このブログでは、ブログ「坂本、脱藩中。」のさかもとみきさんと毎月コラボしている書評を書いています。

前回のコラボ書評は佐藤正午さんの『月の満ち欠け』です。

コラボ書評とは2人のブロガーが同じ本を読み、感想をお互いに書くという内容です。

ぼくはさかもとさんにいろいろ相談をしたり、Twitterで交流をしていました。話の流れで「コラボしたいね」という流れになり、お互いに本好きということもあり書評を書きあうというスタイルになりました。

面白いのは同じ本を読み合っていても、人によってこうも感想が違うのかという点がわかる点です。

特にこのコラボ書評は、男女で本の捉え方が違う点も面白い点だと思います。

  • 過去のコラボ書評はこちらから。

毎月連載のコラボ書評まとめ【つぶあんとさかもとみきさんの書評】

コラボ書評
毎月連載さかもとみきさんとのコラボ書評!

今回のコラボ本は瀬尾まいこ著『そして、バトンは渡された』

本はの瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』です。

今回、本を選んでくれたのはさかもとさんです。

この作品は、2019年の本屋大賞受賞作です。

『そして、バトンは渡された』のあらすじ

高校二年生の森宮優子。

生まれた時は水戸優子だった。その後、田中優子となり、泉ヶ原優子を経て、現在は森宮を名乗っている。

名付けた人物は近くにいないから、どういう思いでつけられた名前かはわからない。

継父継母がころころ変わるが、血の繋がっていない人ばかり。

「バトン」のようにして様々な両親の元を渡り歩いた優子だが、親との関係に悩むこともグレることもなく、どこでも幸せだった。

本屋大賞受賞!『そして、バトンは渡された』 | 特設サイト – 文藝春秋BOOKS

本屋大賞受賞!『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ・著 私には五人の父と母がいる。その全員を大好きだ。 | 特設サイト – 文藝春秋BOOKS

読んで感じたこと

本作は、主人公森宮優子とその親たちを巡る物語です。

ぼくの好きな作家、伊坂幸太郎さんも家族ものを得意としています。

本作も最近の“家族もの”の系譜に連なる物語というふうに読んでいて、感じましたね。

もちろん、テーマやストーリーはそれぞれ異なります。

(そういえば、伊坂幸太郎にも4人の父親と同居する『オー!ファーザー』という作品がありましたね。)

昔から家族の歴史を描く、というスタイルの作品はありました。

本作が少し前に書かれたならかなり深刻な、読んでいてしんどくなるような展開と結末になっていたかもしれません。

でも、「淡々と」、かつ「前向きな感じで」書いてあるのは、ひょっとして最近の小説の傾向なのかと、素人ながら考えたります。

家族の物語を描くとこと

不確かな記憶ですが、一時期重めなストーリーを持つ小説が多い時期があったように思います。

でも、本作は、帯に書いてあるように、アンハッピーではない物語だと言えます。

著者の瀬尾まいこさんは、あえて、あり得なさそうな筋書きをつけることによって、家族間で渡されていく、「バトン」という“形”を描こうとしたのかもしれません。

「バトン」というのは、主人公優子のことでもあるし、優子が次の世代に渡すものでもあります。

こういう物語を書きながら、自分の伝えたいことを出していくというのは、実は結構大変なのかもと考えたりします。

本屋大賞を取り、評価も高いのもうなずけます。

まとめ

結構長いストーリーですが、読んだ感じが重くなく、かつ前向きで、いろいろな人におすすめできる本ですね。

さすが本屋大賞受賞作。

ぜひ、読んでみてください。

毎月連載のコラボ書評まとめ【つぶあんとさかもとみきさんの書評】 | つぶログ

さかもとみきさんの書評

さかもとさんの書評はこちら。

自分とは、感性が違う人の書評を毎回読めるのってすごく幸せなことだと思います。

今回紹介した『そして、バトンは渡された』