本を読むことが好きなのですが、どうして好きなのか考えていると好きな人の話を聞けるからと気づきました。
本を読むことの魅力は人生の先輩に話を聞けること
本を読むことの魅力はなんでしょう。
知識が手に入る。
仕事の役に立つ。
気分転換になる。
エンターテイメントとして楽しむ。
このどれもが正解です。そして正解はこれだけにとどまるものではなく、本を読む人の数だけあると言ってもいいでしょう。
私が感じている読書の魅力は人生の先輩の話を聞くことができるということ。
どういうことでしょうか。
例えばこの本。
言わずと知れた論語 です。
古代中国の思想書「四書」の一つ。孔子の言行を記したものです。
本ばかり読んでいると、「本を読むより実際に経験する方が大事だよ!」と教えてくれる人がいます。
それはもちろんそうなのです。自分で経験できるならそれに越したことはありません。
しかし、孔子のような人物に会って話を聞く機会を現代の私たちが持てるでしょうか。
古代の人物だけではありません。
この本はスウェーデンのサッカー選手、ズラタン・イブラヒモビッチの自伝です。
貧しい少年時代からプロサッカー選手として活躍する時代までを赤裸々に語ったすこぶる面白い本。
このように洋の東西を問わず、自分を高めてくれる人生の先輩に話を聞くことができるのが本を読むことの魅力です。
こういうのは私淑というと読書猿さんの著作、『アイデア大全』を読んで知りました。
私淑(直接教えを受けることはできないが、ある人をひそかに尊敬し、模範として学ぶこと)は、その対義語である親炙(ある人に親しく接してその感化を受けること)とともに、彼の著書『孟子』に登場する言葉であり、思想家孟子の拠って立つ方法論的基礎でもある
引用:『アイデア大全』より
会うことが叶わなくとも、その人を師とすることはできる。つまり私淑である
引用:『アイデア大全
私淑。いい言葉です。
孔子でも、ブッダでも、キリストでも、ナポレオンでも、松下幸之助でも、スティーブ・ジョブズでも、同じ時代に生きていたら到底会うことが困難か、不可能な人でも師とすることができる。
それが私が考える本を読むことの魅力です。
たとえば哲学書や思想書、歴史書でなくても同様のことが言えます。
小説は物語の筋を追いかけある種エンタテイメントとして楽しむことが可能です。
それ以外の楽しみ方として新たな視点を得るということが挙げられます。
どんな優れた人物でも時代の子だと言われます。本人の資質とは別に生まれた時代の影響を受けるということです。
小説の魅力は作家の目を通して世界を見ることです。
ドストエフスキーと筒井康隆はやっぱりものの見方が異なりますし、それはそれは伊坂幸太郎とシェイクスピアも同じ。
優れた作家の作品を読むとまるでその世界を体験しているかのような感覚に陥ることがあります。
これが私の小説を読む楽しみです。
いずれにせよ、本を読むということは歴史に残るレジェンドたちに目の前まできてもらって特別個人講義を受けているようなものなのです。
どうですが?本を読んでもいいかも、と思ったのではないでしょうか。
考えてみてください。
Amazonの創業者、ジェフ・ベゾスとランチができて、2時間たっぷり話ができて自宅に招待してもらえるとしたら?
ベゾス自身の著作ではないものの、それはこの本を読むことである程度叶います。
イスラエル人歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリ氏から特別面白い個人講義をしてもらうことも可能。
予約なし。通勤電車でも可能。
今をときめく研究者、落合陽一氏から直接日本の将来についての示唆をもらうことも可能。
1500円で。
多忙な落合氏にこの本に書いてあるレベルの話を聞く時間を作ってもらうのはなかなか大変だと思いますよ。
まとめ
自分で経験したことのない世界に飛び込んでいく行動力を持った人を尊敬します。
しかし、本を読むこともそれと同じくらい多くの知恵をもたらしてくれます。
どうでしょう?
次の休みはちょっと時間を作って図書館に立ち寄って、気になった先輩の話を聞いてみるというのは。
きっとこれまでに経験したことのない学びが得られるはずです。