個人的に大好きなアーティストにボブ・ディランがいる。
彼はロックを変え続けてきた変革者であると同時に、稀代の詩人でありシンガーである。
ボブ・ディランはいまも新しい
ロック史を代表する名カバー、ジミ・ヘンドリックスによる「見張り塔からずっと(All Along The Watchtower)」を聴いたことはあるだろうか。
原曲はボブ・ディランのジョン・ウェズリー・ハーディングというアルバムに入っている。
原曲は極めてシンプルでまるで飾り気のないサウンドだ。
ディランはジミヘンのカバーが嬉しかったのかこの曲を2000回以上もライブで取り上げているし、それは多くのアーティストにとっても同様だ。
All Along The Watchtower | The Official Bob Dylan Site
この曲の歌詞の意味を聞いた時は驚いた。
ぼくが思うボブ・ディランのすごいところ – シン・くりごはんが嫌い
寓話的な歌詞だと思っていたが、革命の予感について書かれているというのだ。
ほかの歌詞でも韻を踏みまくり、それでいてストーリーを語る「ハリケーン」、ラップのようにまくしたてる「サブタレニアン・ホームシック・ブルース」などロックとして詞の表現に挑戦し続けている。
70年代のロック界に大いなるインスピレーションを与えたザ・バンドもディランのバンド出身だし、バイク事故によって隠棲していたディランがルーツに接近した音楽をやったことはその後のシーンに影響を与えた。
他のアーティストだと黒歴史として隠してしまうようなこともあくまでディランは開けっぴろげだ。
ディランの音楽は「原液」みたいなものなので、そのまま味わうには濃すぎる場合がある。
しかし、それが多くのアーティストにとってインスピレーションのもとになり、多くのカバーを生み続けているのだろう。
ノーベル文学賞の受賞理由が「アメリカの音楽において新しい詩の表現を創造した」ということなのもそういったことを物語っているのかもしれない。
個人的にはディランは一番うまいシンガーだと思っていて、それはどんな歌でも自分流に変えてしまうからだ。
まとめ
ディランはいまもツアーを続け、今年は日本にもやってきた。
自分の曲でさえ、原曲がわからないくらいアレンジするほど、その時々で1番いい表現を常に追い求めている。
一流はかっこ悪ささえ、格好いい。
ディランはこれからもぼくにとってインスピレーションのもとであり続ける。
ボブ・ディランはすべて計算して行動しているのか。実は天の邪鬼で、照れ屋説。