毎対連載しているブログ「坂本、脱藩中」のさかもとみきさんとのコラボ書評。
今回は川村元気さんの『億男(おくおとこ)』を取り上げます。
毎月連載のコラボ書評
このブログでは、ブログ「坂本、脱藩中。」のさかもとみきさんと毎月コラボしている書評を書いています。
- 前回のコラボ書評、はらだ有紗『日本のヤバい女の子』
マジで信じられないことがあったんだけど『日本のヤバい女の子』 | つぶログBooks
嫉妬、結婚、秘密、別れ…古典に学ぶ、女の想いと生き方と「日本のヤバい女の子」はらだ有彩 | 坂本、脱藩中。
コラボ書評とは2人のブロガーが同じ本を読み、感想をお互いに書くという内容です。
ぼくはさかもとさんにいろいろ相談をしたり、Twitterで交流をしていました。話の流れで「コラボしたいね」という流れになり、お互いに本好きということもあり書評を書きあうというスタイルになりました。
面白いのは同じ本を読み合っていても、人によってこうも感想が違うのかという点がわかる点です。
特にこのコラボ書評は、男女で本の捉え方が違う点も面白い点だと思います。
- 過去のコラボ書評はこちらから。
毎月連載のコラボ書評まとめ【つぶあんとさかもとみきさんの書評】 | つぶログ

毎月連載さかもとみきさんとのコラボ書評!
今回の取り上げるのは映画も話題の「億男」
今回取り上げる本は、川村元気さんの『億男』です。
本作は本屋大賞にもノミネートされ、高橋一生さん、佐藤健さん主演で映画化もされた話題作。
「ボクらの時代」🍵
佐藤健×高橋一生×川村元気(原作)🎬
10/21(日)07:00オンエア⏰ pic.twitter.com/xOFVvFRUkP
— 映画『億男』公式 (@okuotoko_movie) 2018年10月10日
さかもとさんとのコラボ書評で本作のような話題作を取り上げることは少なく、選んだ段階でも2人で「面白いね」と話をしていました。
タイトル通り、お金にまつわる話ですがそれにとどまらない内容を持っていました。
億男の感想
「お金と幸せの答えを教えてあげよう」。宝くじで三億円を当てた図書館司書の一男は、大富豪となった親友・九十九のもとを訪ねる。だがその直後、九十九が三億円と共に失踪。ソクラテス、ドストエフスキー、福沢諭吉、ビル・ゲイツ。数々の偉人たちの言葉をくぐり抜け、一男のお金をめぐる三十日間の冒険が始まる。
あらすじにあるように、主人公の一男は宝くじで当てた3億円とともに疾走した友人、九十九を探して彼を巡る人物たちと会うことになります。
作品のテーマは異なりますが、この構成は映画『ハイフェデリティ』に似ていると感じました。
『ハイフェデリティ』では恋人に振られた男が過去に付き合った女性たちのもとを訪れて話をしていきます。
『億男』でも九十九を巡る人と会い、行動することでお金について話をしていこうという構成です。
出てくる人物も内容もあえてリアリティラインをちょっと下げて、寓話っぽくしていて物語を通してお金について学ぼうという感じですね。
1人1人の人物にテーマが設定されていて、一男がそれを学んでいく感じ。
自分が何億ものお金を手にしているのは考えにくいけど、たしかにお金があればお金を理由になにかを諦めることもなくなるし、自由になる面もあります。
お金は「価値を入れる容器」みたいなものだと思うけれど、その存在があまりにも大きくなりすぎた嫌いはあります。
一男の職業の図書館司書も平凡とかのメタファーなのかもしれないですね。
『投資家がお金よりも大事にしていること』の内容がこの本を読み解くには参考になる気がします。
ぼくは日本では清貧が尊ばれるけど、使うべき時には、使うべき人はお金を使った方がいいと思っています。
日本人のお金感というか、そういうことについて知ることができます。
おそらく海外の著者がこのテーマで書くと結構違うストーリーになるのではないかと。
それこそ、映画の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』みたいな感じになってもおかしくはないですね。
お金とはなにか。
『億男』を読んで自分のお金についての考え方について振り返ってみました。
毎年年末になると年末ジャンボ宝くじのCMが頻繁に流れますよね。
ぼくは付き合いで1回買ったことがあるくらいで、宝くじ自体ほとんど買ったことはないんです。
それはぼくに欲がないというわけではありません。
高額なものをそんなに欲しくないということです。
ぼくが欲しいものは、本と音楽と清潔な服くらいのもので、外車にも高級ブランドのスーツにも興味がありません。
それはぼくが3億円当たったとき、取り乱さないということとイコールではありません。
でも、宝くじに当たることは嬉しいけれど、当選金を何に使うかイメージできないです。
ブランド物も車にも興味はないけれど、3億円あったら、たぶん変わってしまうのではないかと思います。
どれだけ自分を確立させているかと思っていても、実際に大金を手にすると自分が変わらないという自信はないですね。
まとめ
人間が生きている以上お金を欠かすことはできません。
それだけにお金との付き合い方は難しいともいえます。
たくさんあるに越したことはないけれど、自分がどういうスタンスでお金と付き合っていくかを普段から考えるということは人生について考えるということと同じなのかもしれません。
映画も公開されて、話題の今本作を読んで「お金」について考えてみるのもいいかもしれません。
さかもとさんの書評
さかもとみきさんの書評はこちらから。
響いている部分がそれぞれ異なるのが面白いです。