アナログレコードが静かなブームとなるようです。
レコードはデジタルと比べて自分の手で左右できる部分が多くて面白いです。
レコードの音とは
好きなジャンルはロックでレコードでもCDでも音楽を楽しんでいます。
レコードを聴き始めると、このレコードは音がいいというようなことを耳にすることもあるかもしれません。
レコーディングは一般に、ボーカル、ギター、ベース、ドラムなど各楽器ごとに録音します。
そして、各楽器の音量、配置、効果音などを調整して、各テープをまとめてミックスダウン(トラックダウン)します。
そして、曲順やレベル、音圧、などの処理を行う過程をマスタリングといいます。
これがレコードの大元ですね。
(余談ですが、昔のアルバムの音を良くすることをリマスターといいます。リマスターはミックスダウンされたマスターを修復したり音をキレイにすることを指します。録音し直したり、各楽器の音量・バランスを変更した場合はリミックスとなり、発売当時のマスターとは異なることになります。)
レコードの製造工程

マスターテープの写真
このマスターテープをもとにラッカーディスクに溝を刻みます。(凹)
マスターテープをもとにラッカーディスクに音を刻むことが「カッティング」です。
アナログ盤カッティングの職人技に大興奮!の巻【オーディオ小僧のアナログ日誌 第18回】 | サライ.jp|小学館の雑誌『サライ』公式サイト
ラッカーディスクは耐久性がないので、この溝からメタルマスターを作ります。(凸)
(爪で触っても傷がつくくらい柔らかい素材とのこと)
はじめからヒットが見込めるレコードの場合は複数のメタルマスターが作製されます。(凹)
メタルマスターをもとに作られるのが、メタルマザー(凹)
このブログでたびたび記事にしているのがこれです。
メタルマザーは複数作製されます。
日本盤での輸入メタルマザーを見分けるにはレコードの送り溝に刻まれた記号を見ます。

シンコーミュージック書籍『アナログ・ザ・ローリング・ストーンズ』より
メタルマザーをもとに実際にプレスに使用するスタンパー(凸)です。
1枚のスタンパーごとにだいたい2000枚くらいのレコードがプレスされます。
これが最終的にリリースされるレコード(凹)ですね。
高いレコードはビートルズでいえば、もっとも初期にプレスされ、マトリクスの数字が若いものになります。
というのも初期にち近い方がマスターには近く、音の鮮度が高いからです(とされているからですね)
(ぼくはそこまでこだわっていませんが)
マトリクスナンバーとは
日本でカッティングされたレコードには日本のカタログナンバー、スタンパーナンバーが刻まれていますが、輸入メタルマザーには海外のマスタリングスタジオ、またはエンジニアの名前、マトリクスナンバーが付与されています。
たとえばローリング・ストーンズの「イッツオンリーロックンロール」日本盤には以下の情報が刻まれています。

- ROLLINGSTONESRECORDS(レーベル)
- P-8474S-1(日本でのカタログナンバー)
- ST-RS-743197-F
- PR 3(プレスした工場)
- 〄(JIS)
- M-7-A
日本盤は音が悪いのか

洋楽の場合、日本盤は輸入盤よりも音が悪いと言われますが、その理由はオリジナルのマスターテープを使うのではなく、マスターテープのコピーをもとに日本でカッティングされるからです。
テープはコピーのたびに音質が劣化しますし、本国でのカッティングにはアーティストやプロデューサーが立ち会うこともあるのに対して、日本では音質の劣るテープをもとにカッティングするので「いい音」という意味ではどうしても不利になります。
ただ日本盤の品質は高く、世界的にも評価されています。
スタートが不利な点を抜きにしても、「日本盤」が好きで、コレクションしている人も多いです。
そしてぼくたち日本人にとっては一番普通に比較的安く手に入るレコードでもあります。
これも日本が誇る大切な「文化」なので大切にしていきたいです。
レコードは面白い

レコードのいい所は「自分でコントロールできる部分が多い」というところだと思います。
まずどの盤を聴くが選ぶ行程があります。
そして、使用する機材によっても音が変化します。
配信音源と違った同じアルバムでも厳密には同じ音にはならないわけです。
シンプルに聴くこともできるし、とことん深く追求することもできる。
ここが面白い部分ではないでしょうか。
まとめ
レコードは1枚1枚個性があり、また聴く人によっても差が出てきます。
手間はかかりますが、その「余分」な部分こそたくさんの人を今も惹き付けている部分ではないでしょうか。