豪華絢爛な『二条城行幸図屏風の世界』

二条城御幸図屏風の世界 書評

寛永3年の後水尾天皇による御幸を描いた『二条城行幸図屏風の世界』を読みました。

武家への約40年ぶりの御幸の記録

今回紹介する本は『二条城御幸図屏風の世界』です。

図書館でふと手に取ってみたところ、ちょうど興味のある時代だったので興味深く読みました。

天皇がどこかに外出することを「行幸(ぎょうこう・みゆき)」といいますが、この本で取り上げているのは寛永3年(1626年)の行幸です。

将軍徳川家光、大御所徳川秀忠が二条城に後水尾天皇を招きました。

後水尾天皇の正室は秀忠五女の和子(まさこ)です。娘である、のちの明正天皇もともないました。

天皇が武家のもとへ出かけるのは有名な秀吉の聚楽第への行幸以来、約40年ぶりだったとのこと。

徳川将軍家の威光を世の中に示す一大イベントだったのですね。

豪華絢爛!

二条城御幸図屏風の世界

この本で取り上げているのは住友家から泉屋博古館に寄贈されたものです。

江戸時代初期の屏風としては奇跡的な保存状態で、描かれた当時の色をよく伝えているそう。

そして、公武の行列や京都の町の様子などを詳細に描いたという点でも貴重です。

ただ、行列はあまりにも長かったので省略はされています。

国立国会図書館のデジタルコレクションで、二条城御幸の幕府側からの記録を閲覧することができるので、興味のある方はぜひ見てみてください。

〔寛永行幸記〕. 〔上巻〕 – 国立国会図書館デジタルコレクション

将軍を始めとする武家や公家だけではなく、見物している京都の人々も詳細かつ美しく描かれているのも、この屏風のポイントですね。

当時の風俗を知る上でも貴重な記録です。

大名たちにしても一世一代の大舞台だけに、はりきって準備をしたことでしょう。

おわりに

徳川家の天下が決まり、将軍の権威が高まっていた時期に行われたということあり、歴史上でも例がないほど豪華なイベントになりました。

江戸時代に興味がある人は一度見ておいて損はない本です。

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今回紹介した本